フリースタイルダンジョンの歴代モンスター、ラスボス(般若・R指定)一挙紹介!

テレビ朝日が主催していた「フリースタイルダンジョン」は、ラップで生きて行くことを夢見る若きラッパーたちが夢を掴むチャンスの場でした。

2015年の番組スタートから2020年7月1日の番組終了まで、多くの人に愛された伝説的番組です。

放送当時、「テレビにかじりついて毎回見ていた」というファンの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、そんな「フリースタイルダンジョン」のことや、「スゴイ」歴代モンスターとラスボスを紹介いたします。

フリースタイルダンジョンとは?

日本全国のフリースタイルラップのチャレンジャーが、「モンスター」と呼ばれる凄腕ラッパーたちに挑んで、即興ラップの上手さを競う対戦形式の番組です。1 on 1で競ってモンスターたちに打ち勝つと、ファイナル・ステージのみに登場する「ラスボス」と勝負ができます。

バトルの先行か後攻かの選択肢はチャレンジャーにあり、3ラウンド制のバトルで2ラウンド先取すると勝利です。ただし審査員全員の票を得た場合は「クリティカルヒット」として、その場で勝利が確定します。つまり、圧倒的な実力差があれば相手をKOできます。バトル中に相手の体に過度に触ると減点され、勝敗は審査員の投票の多数決により決定します。

1ST BATTLEでの勝利で10万円、2ND BATTLEで20万円、3RD BATTLEで30万円、4TH BATTLEで50万円、そしてFINAL BATTLEでラスボスに勝利すると100万円の賞金を獲得できます。チャレンジャーは途中でドロップアウトして、その時点で手に入れた賞金を持ち帰ることも可能です。

多くのヒップホップファンに愛され、また新たなファンを生み出し、そして才能あるラッパーを見出した番組でした。しかし残念ながら、「フリースタイルダンジョン」は出演者の逮捕が続いたため、現在は終了しています。ただし後継番組「フリースタイルティーチャー」が放送されており、ラッパーとお笑い芸人がタッグを組んで、ラップバトルに挑戦しています。ヒップホップの歴史や伝説的人物を解説するコーナーもあり、ヒップホップを深く知ることができます。

歴代モンスター

ここでは、歴代モンスターを年代別に紹介いたします。

T-Pablow(初代)

dews365.comより出典

所属レーベル GRAND MASTER、BAD HOP Records
主なMCバトル戦歴 ・2012年:「BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」の第1回で優勝。当時は「K-九(ケーナイン)」名義。

・2013年:「第4回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」で2度目の出場、2大会目の優勝。

「高校生ラップ選手権」の初代王者でもあり、「フリースタイルダンジョン」の初代モンスターでもあるT-Pablowは、変幻自在なラップスキルで業界内でも有名です。ラップを始めて、たった約4ヶ月で「高校生ラップ選手権」で優勝した実力は、既に大物をも圧倒するパワーがありました。アメリカギャング風の自由奔放なスタイル、そして力強い韻は彼の独自性を感じさせます。このMCバトルにより、高校生らしからぬ風貌と完成されたスキルの高さで、一躍ヒップホップシーンで注目を浴びるようになりました。

またT-Pablowは「高校生ラップ選手権」で優勝後しばらくして、先の見えない音楽で生きていく「不安」ゆえの精神異常により、1年間の活動休止を余儀なくされた経験があります。そんな彼の繊細さが、自由な力強さと合い重なるからこそ、リスナーを魅了するのでしょう。

 

【T-Pablowのバトル】

【裂固vsT-Pablow】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【晋平太vsT-Pablow】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【T-PABLOW vs 呂布カルマ】フリースタイルダンジョン神回バトル


CHICO CARLITO(初代)

CHICO CARLITO公式Twitterより出典

所属レーベル Timeless Edition Rec.
主なMCバトル戦歴 ・2014年:「闘極MC感謝祭 ミュージックビデオ杯」優勝。(オリジナル曲「C.H.I.C.O.」をミュージックビデオで発表した。)

・2015年:「ULTIMATE MC BATTLE GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

「フリースタイルダンジョン」の初代モンスターであるCHICO CARLITOは、元々はメロコア系のバンドでボーカルを務めていました。さらに、高校卒業後までヒップホップを聴いていなかったという、ラッパーとしては興味深い過去を持っています。高校卒業後に、鬼の「古名浜」という曲を聴いたことがきっかけで、ヒップホップを聴き始めました。そして友人に誘われて観たMCバトルの大会で興味を抱き、CHICO CARLITO自身もラップを始めました。

2013年に大学進学のために上京すると同時に、ラッパーとして本格的に活動を開始しました。CHICO CARLITOのラップの特徴は、独特なハイトーンボイスと、リズミカルなフロウの連打です。またリズムが0.5拍ほど後ろにずれています。ラップでは「ビートの後ろの方に乗っている」ような状態で、独特のラップが完成しています。

 

【CHICO CARLITOのバトル】

【R指定vsチコカリート】フリースタイルダンジョン神回バトル


サイプレス上野(初代)

Produce 101 Japan Official Siteより出典

所属事務所 Melody Fair
主なMCバトル戦歴 2014年:「戦極MCバトル 第8章 新春2Days SP GAME」優勝。

2015年:「KOK2015」ベスト8。

「フリースタイルダンジョン」の初代モンスターであるサイプレス上野は、奇抜な髪型やユニークなラップが注目されるラッパーです。そして横浜のバスケチームのテーマソングを手掛けたり、FM横浜のラジオパーソナリティなども担当し、地元を中心にマルチな活躍をしています。

なんとサイプレス上野は、あの松坂大輔投手も在籍した野球の名門「横浜高校」出身で、現在も松坂投手と交流があるそうです。さらに大のプロレス好きで、根からのスポーツ好きです。その上、フジロックフェスティバルやももクロ紅白歌合戦にも参加しています。このような様々な活躍や交流が、サイプレス上野のラッパーとしての幅も広げ、ユニークさを生み出しています。

 

【サイプレス上野のバトル】

【晋平太vsサイプレス上野】フリースタイルダンジョン神回バトル


漢 a.k.a GAMI(初代)

fnmnl.tvより出典

所属レーベル 9SARI GROUP (2012年〜)
主なMCバトル戦歴 2000年:「B BOY PARK 2000 MC BATTLE」2回戦敗退。(KREVAに敗れる)

2002年:「B BOY PARK 2002 MC BATTLE」優勝。

2003年:「B BOY PARK 2003 MC BATTLE」4位。

2005年:「ULTIMATE MC BATTLE 2005」準優勝。

2009年:「3 ON 3 PROFESSIONAL MC BATTLE」準優勝。

2017年:「B BOY PARK 2017 MC BATTLE」準優勝。

2018年:「戦極MC BATTLE 第18章」優勝。

「フリースタイルダンジョン」の初代モンスターである漢 a.k.a GAMIは若者を中心に人気があり、フリースタイルのラップ界の第一人者です。過去の薬物使用や暴力による犯罪歴などをテーマとして、実体験に基づいたラップで有名です。

2020年5月に、乾燥大麻の所持により大麻取締法違反容疑で警視庁戸塚署に現行犯逮捕されました。尿検査の結果、覚醒剤の陽性反応が示されたことから、覚醒剤取締法違反容疑もかけられました。さらに2020年7月にも、結果的には不起訴処分になりましたが、再び大麻所持ゆえに大麻取締法違反で逮捕されています。

漢 a.k.a GAMIの逮捕を受けて、彼の出演していた「フリースタイルダンジョン」は、番組自体が終了となりました。国内ラップ界をリードするラッパーだけに、ヒップホップ業界へは大きな打撃となっています。

 

【漢 a.k.a GAMIのバトル】

【晋平太vs漢 a.k.a GAMI】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【輪入道vs漢 a.k.a GAMI】フリースタイルダンジョン神回バトル


DOTAMA(初代)

kai-you.netより出典

所属レーベル 社会人ミュージック (2019年〜)
主なMCバトル戦歴 2013年:「戦極MC BATTLE 第7章 vs THE罵倒2013特別編@ClubAsia杯」優勝。

2013年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP2013」準優勝。

2014年:「戦極MC BATTLE 第9章」優勝。

2015年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP2015」準優勝。

2016年:「戦極MC BATTLE 第14章x AsONE」準優勝。

2017年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP2017」優勝。

最後にご紹介する初代「フリースタイルダンジョン」のモンスターは、DOTAMAです。両親、祖父、曽祖父まで全員が教員という教職一家で育ち、自身も進学校出身で元生徒会の会計担当だったユニークなラッパーがDOTAMAです。しかもDOTAMAの風貌は、黒縁メガネにネクタイとスーツという、まるでサラリーマンです。そのオリジナリティはラップにも反映されていて、力強く高い声、激しいステージと練られた歌詞が特徴です。MCバトルにおいては、辛辣ながらユーモアのあるバトルが魅力で視聴者に高いインパクトを残します。

DOTAMAは、今後もリスナーを「個性」で驚かせつつ、楽しませてくれるでしょう。

 

【DOTAMAのバトル】

【呂布カルマvsDOTAMA】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【ACEvsDOTAMA】フリースタイルダンジョン神回バトル


裂固(2代目)

kai-you.netより出典

所属レーベル HIKIGANE SOUND(2016年〜)
主なMCバトル戦歴 2016年:「高校生RAP選手権」第9回で優勝。

2016年:「SCHOOL OF RAP U20 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

2016年:「SPOTLIGHT 2016」優勝。

2016年:「フリースタイルダンジョン」に「TEAM1997」として参戦、1 on 1でモンスターのT-Pablowに敗れる。

2017年:「SPOTLIGHT 2017」準優勝。

 

ご紹介する「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターの1人目は、裂固です。

中学卒業後の15歳の時に、友人に連れられて観に行ったラップイベントで輪入道に感銘を受け、ラップを始めました。

2016年の「高校生RAP選手権」で優勝したことにより、全国でその名を知られるようになります。裂固は「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターに就任して有名になっても、年間70本を超えるライブをこなしてきました。その結果、揺るぎないラップスキルを身に付け、また各客演や自身の楽曲制作のために日々スタジオワークを積み重ね、アーティストとしてのキャリアを成熟させました。

「岐阜のラップモンスター」の異名を持つ裂固は全国各地へ飛び回り、確実にステップアップしています。今後の成長の可能性を存分に感じさせるラッパーです。

 

【裂固のバトル】

【裂固vsT-Pablow】フリースタイルダンジョン神回バトル

 


崇勲(2代目)

kai-you.netより出典

所属レーベル Timeless Edition Rec.
主なMCバトル戦歴 2015年:「UMB 2015 KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP FINAL」優勝。

2015年:「戦極MC BATTLE 第3章」準優勝。

続いてご紹介する「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターは、崇勲です。

いわゆるヒップホップカルチャーよりも歌詞を書くことが好きで、元々はヒップホップを歌詞を書くためのツールと捉えていました。リリシストな崇勲らしいエピソードです。それを変えたきっかけが、地元である埼玉県春日部市でDJをしている友達「DJ YABO」にラップを一緒にするよう誘われたことです。その後どんどんラップにのめり込み、現在のようなオリジナリティのある、パワーのあるラッパーへと成長しました。

相手をディスらない、また相手のディスが効かないという独特のバトルスタイルは、彼の魅力です。そしてユーモア溢れるリリックと愛着の湧く「仁王立ちの内弁慶」な可愛さが、リスナーを惹きつけています。

 

【崇勲のバトル】

【ふぁんくvs崇勲】フリースタイルダンジョン神回バトル


輪入道(2代目)

kai-you.netより出典

所属レーベル GARAGE MUSIC JAPAN
主なMCバトル戦歴 2010年:「B BOY PARK 2010 U20 MC BATTLE」ベスト4。

2012年:「THE 罵倒 2012 GRAND CHAMPIONSHIP」準優勝。

2013年:「THE 罵倒 2013 GRAND CHAMPIONSHIP」準優勝。

2014年:「B BOY PARK MC BATTLE 2014」優勝。

2014年:「THE 罵倒 2014 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

2016年:「ADRENALINE MC BATTLE 2016」優勝。

2016年:「THE 罵倒 2016 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

2016年:「KING OF KINGS 2016 GRAND CHAMPIONSHIP FINAL」準優勝。

2017年:「THE 罵倒 2017 GRAND CHAMPIONSHIP」ベスト4。

2018年:「UMB 2018 GRAND CHAMPIONSHIP」ベスト4。

2018年:「THE 罵倒 2018 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

アーティスト名の由来は「石ころをダイヤに変えてみたかった」という秘めたる情熱を燃やすラッパー輪入道が、続いてご紹介する「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターです。

ラップを始めてわずか約4ヶ月で、千葉CLUB BELT主催の「REPRESENT MC BATTLE」で優勝します。その後は関東各地のクラブイベントに出演し、年間130本を超えるライブショーケースを全て「フリースタイルのみ」で通し切りました。その経験は、輪入道に即興性とアレンジ力の強みを与えました。

2018年には地元千葉を代表するラジオ局bay fmで冠番組「暴走ぱんちらいん」をスタートさせたり、スマホアプリのゲーム「覇道任侠伝」とのタイアップで楽曲とPV制作の指揮を行いました。さらに2019年には、プロ野球の千葉ロッテマリーンズから依頼を受けて、応援歌も作成しました。

このように常に活躍の幅を広げて、邁進する輪入道から目を離せません。

 

【輪入道のバトル】

【輪入道vs漢 a.k.a GAMI】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【輪入道 vs GOTIT】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【輪入道vsTKda黒ぶち】フリースタイルダンジョン神回バトル


ACE(2代目)

mcbattle-ch.jpより出典

所属レーベル 戦極CAICA
所属事務所 プラチナムプロダクション
主なMCバトル戦歴 2010年:「B BOY PARK 2011 U-20 MC BATTLE」優勝。

2014年:「戦極 MC BATTLE 第10章」ベスト4。

2014年:「THE 罵倒 2014 GRAND CHAMPIONSHIP」ベスト8。

2015年:「戦極 MC BATTLE 第13章」ベスト8。

2015年:「THE 罵倒 2015 GRAND CHAMPIONSHIP」準優勝。

2015年:「SPOTLIGHT 2015」ベスト4。

続いてご紹介する2代目「フリースタイルダンジョン」のモンスターは、ACEです。ブラジル生まれ、日本育ちでパーフェクトに日本語とポルトガル語を操ります。バイリンガルラッパーゆえの、2つの文化を背景にした個性あるラップが特徴です。

2016年のブラジルのリオで開催されたオリンピックのCMでは、サッカーブラジル代表のネイマールが主役を務め、ACEが楽曲のラップを担当しました。

家族全員が音楽関係の仕事をしており、父のマルキーニョス・ラモスさんは2012年にブラジリアン国際プレスアワード ブラジル人男性歌手部門最優秀を受賞している実力者です。この賞は、世界各国で活躍するブラジル人や、ブラジルのコミュニティや文化の浸透に貢献した人を表彰する文化勲章で、その実力が伺えます。子供の頃から音楽と共に育ったACEのラップは、音楽センスと、「人と違う見た目だからこそ、人と違うことをする」強さ、そして他に選択肢がないように感じた日本社会における彼の哀愁が特徴です。

現在はラップ講師など、活躍の幅を広げているACEの次の挑戦が楽しみです。

 

【ACEのバトル】

【ACEvsDOTAMA】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【ID vs ACE】フリースタイルダンジョン神回バトル


呂布カルマ(2代目・3代目)

natalie.muより出典

所属レーベル JET CITY PEOPLE
主なMCバトル戦歴 2015年:「戦極MC BATTLE 第12章」優勝。

2015年:「THE 罵倒 2015 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

2015年:「SPOT LIGHT 2015」優勝。

2016年:「戦極MC BATTLE 第14章xAs ONE」優勝。

2016年:「THE 罵倒 2016 GRAND CHAMPIONSHIP」準優勝。

2016年:「ULTIMATE MC BATTLE 2016」準優勝。

2017年:「ULTIMATE MC BATTLE 2017」ベスト4。

2018年:「戦極MC BATTLE 第17章」準優勝。

2018年:「戦極MC BATTLE 第18章」準優勝。

2018年:「SPOT LIGHT 2018」優勝。

2018年:「KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2018」優勝。

2019年:「ULTIMATE MC BATTLE 2019 THE CHOICE IS YOURS」準優勝。

2019年:「戦極MC BATTLE 第20章」準優勝。

2019年:「ADRENALINE FINAL 2019」優勝。

2020年:「戦極MC BATTLE 第21章」準優勝。

元々は漫画家志望だったという呂布カルマが、「フリースタイルダンジョン」モンスターの2代目・3代目です。名古屋芸術大学美術学部の大学生時代に、集英社に自作の漫画を送ったこともある筋金入りの漫画好きで、ラップを聴き始めたのは大学生時代という点は、ラッパーとしては興味深い部分です。呂布カルマは昆虫採集の愛好家でもあり、グラビアアイドルのファンでもあります。そのような呂布カルマの個性が、韻を踏まない独特なスタイルと切れ味の強いパンチラインに現れています。

 

【呂布カルマのバトル】

【呂布カルマvsDOTAMA】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【R指定vs呂布カルマ】フリースタイルダンジョン史上初 負けを認めた神回バトル!

 

【T-PABLOW vs 呂布カルマ】フリースタイルダンジョン神回バトル


FORK(2代目・3代目)

yamadaman.comより出典

所属レーベル HAMMERHEAD RECORDS
主なMCバトル戦歴 2003年:「B BOY PARK MC BATTLE 2003」ベスト4。

2006年:「GRAND CHAMPIONSHIP 2006」優勝。

2011年:「B BOY PARK MC BATTLE 2011 冬の陣 決勝大会」準優勝。

自らを「横浜のシティボーイ」と呼ぶラッパーのFORKも、「フリースタイルダンジョン」のモンスターの2代目・3代目です。

FORK自身が「RHYME至上主義」を掲げており、とにかくラップの韻に対して徹底的にこだわっています。従来「ライム」と「韻」は同じ意味と捉えますが、FORKはそれぞれに異なる解釈をしています。「韻」は踏んでいる言葉、「ライム」はその韻に連なる言葉全てを含めた一文というのが、FORKの思う言葉の意味です。また韻に関しては「被らないこと」と「韻と韻の間の言葉」などにこだわりを持っており、どれだけ韻を踏んでも文章・文脈が崩れません。同時に、FORKのリリックへのこだわりも半端ではありません。韻にこだわったリリックを練りますが、文章として完成するように組み立て、かつ気付かれない韻にも手を抜きません。これは、韻を掘り下げていくに従って「ここで韻を踏んでいるんだ」と気づく楽しさを、FORKが大事にしたいからです。

リスナーに感動を与える、妥協のない繊細かつ徹底したFORKのこだわりから生み出されうるライミングは、今後も進化し続けるでしょう。

 

【FORKのバトル】

【R指定vsFORK】フリースタイルダンジョン神回バトル 文字起こし!

 

【Dragon One vs FORK】フリースタイルダンジョン神回バトル


JUMBO MAATCH(3代目)

note.comより出典

所属レーベル BEAN BALL RECORDS、MJR RECORDS
主なMCバトル戦歴 参戦経験なし

「フリースタイルダンジョン」の3代目モンスターとして知られるJUMBO MAATCHは、日本のレゲエ激戦区である大阪のレゲエ界の重鎮でもあります。JUMBO MAATCHは、日本のレゲエシーンが台頭し始めた頃からマイクを握り続け、音源リリースや野外フェス「HIGHEST MOUNTAIN」の主催など、レゲエシーンの発展に尽力しています。音源リリースの販売を始めた事情としては、当時は情報も少なく、リスナーにとって大きな情報源がミックステープであったにも関わらず、ジャマイカから輸入された音質の悪いものばかりだったという背景があります。彼らの努力が実を結び、現在はレゲエは大阪の様々なショップのBGMにも使用されるほどの認知度を得ています。JUMBO MAATCHの大阪におけるレゲエの立場を変えるほどの情熱には、リスペクトです。

そして全くフリースタイルバトルに出場経験すらなく、しかもジャパニーズレゲエ界の重鎮であるJUMBO MAATCHが、「フリースタイルダンジョン」への参戦を決めたのは、やはり熱い情熱と呼ぶしかありません。

何歳になっても、常に挑戦を続けるJUMBO MAATCHの活躍から目が離せません。

 

【JUMBO MAATCHのバトル】

【MAKA vs JUMBO MAATCH】フリースタイルダンジョン神回バトル


ID(3代目)

block.fmより出典

所属レーベル Kuragaly Production
主なMCバトル戦歴 2019年:「戦極MC BATTLE 第19章」優勝。

2020年:「戦極MC BATTLE 第21章」ベスト4。

アメリカ合衆国のラップを、そのまま日本語のフロウで再現してみせるラッパーIDも、「フリースタイルダンジョン」の3代目モンスターです。

IDのラップの特徴は、ダンジョンの他のモンスターと比較しても、圧倒的に少ない相手に対するディスです。また小節数を間違えてIDのターンになってもラップをし続けてしまった相手に対しても、「どうぞ」というジェスチャーで譲るなど、器の大きさもIDの魅力です。さらにIDは、非常にレベルの高いバイリンガル・ラップをこなします。ライムよりもフロウを重視する傾向があり、堪能な英語力を活かして本場アメリカ合衆国のラッパーたちに大変近いスタイルのラップを成し遂げます。

IDはバトル中も相手との対話を重んじ、相手をディスらなくても勝てるスキルを身につける、熱いハートと自信家の側面、そしてストイックな面を併せ持っています。その上、IDには負けず嫌いゆえの、目標を現実の到達点に変える実行力もあります。そういったIDの個性全てが、揺るぎない強さと熱さを感じさせる彼のラップを生み出すのでしょう。

圧倒的なポテンシャルを誇るIDの、今後の飛躍に期待です。

 

【IDのバトル】

【ID vs ACE】フリースタイルダンジョン神回バトル


TKda黒ぶち(3代目)

kai-you.netより出典

所属レーベル Timeless Edition Rec.
主なMCバトル戦歴 2012年:「THE 罵倒 2012 GRAND CHAMPIONSHIP」優勝。

2012年:「戦極MC BATTLE 第3章」優勝。

2012年:「戦極MC BATTLE 第4章」優勝。

2013年:「戦極MC BATTLE 第5章」ベスト4。

早口ラップで彼の右に出るものはいないと言われるラッパーTKda黒ぶちも、同じく「フリースタイルダンジョン」の3代目モンスターです。TKda黒ぶちのラップは、高速ながらも聞き取りやすいことが特徴です。

元々はカラオケでも人前で歌うのが嫌で、後ろでできるという理由でDJ志望でした。しかし爽やかな友達の、ギャングのようないかついお兄さんに『ラップをやりたいんだよね?』と聞かれて、ビビって「はい」と答えたことからラップを始めました。まるで漫画のようなストーリーですね。ラップの道を歩むことを決めてからは、「ちくしょう、見返してやる」をやる気スイッチとして、目立つことへの不得意さを克服してきました。

TKda黒ぶちは、ヒップホップの本場であるニューヨークで修行した経験もあり、古くから活躍する実力者です。その本物感とシャイさが、TKda黒ぶち独特の早口ラップを生み出したのでしょう。活躍の幅を広げつつある彼の、今後の活躍に注目です。

 

【TKda黒ぶちのバトル】

【R指定vsTKda黒ぶち】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【輪入道vsTKda黒ぶち】フリースタイルダンジョン神回バトル


ERONE(3代目)

mcbattle-ch.jpより出典

所属レーベル IFK RECORDS
主なMCバトル戦歴 2009年:「SPOTLIGHT 2009」準優勝。

2009年:「GRAND CHAMPIONSHIP 2009」ベスト4。

2010年:「SPOTLIGHT 2010」準優勝。

2013年:「戦極MC BATTLE 第7章」準優勝。

最後にご紹介する「フリースタイルダンジョン」の3代目モンスターは、ERONEです。

ERONEのラップの特徴は、ライミング重視のスタイルでかなり固い韻を踏む点です。フリースタイル・バトルでは、ディスの多い、非常に攻撃的なスタイルで戦います。また韻が固くても韻に踏まれないメッセージ性、的確なディス、ユーモラスなリリックの多さも、ERONEのラップの個性です。さらに、前向きなリリックとフックにも、ERONEの独自性を感じます。様々な楽曲を通して優しいだけでなく、力強く背中を押されるようなフローも多く、ERONEの器の大きさを感じさせます。加えてERONEは、大阪の王道スタイルである押韻スタイルの活躍の立役者の1人でもあります。このストーリーからも、ERONEのラップにかける情熱を伺えます。

これからも大阪ヒップホップ界を牽引しながら、ますます活躍するであろうERONEの動きに要注目です。

 

【ERONEのバトル】

【韻マンvsERONE】フリースタイルダンジョン神回バトル


ラスボス

続いて、「フリースタイルダンジョン」のラスボスを紹介いたします。

般若(初代・2代目)

tocana.jpより出典

所属レーベル 昭和レコード
主なMCバトル戦歴 2002年:「B BOY PARK MC BATTLE 2002」準優勝。

2008年:「UMB 2008」優勝。

初代・2代目の「フリースタイルダンジョン」のラスボスは、かの般若でした。ジャパニーズ・ヒップホップファンには有名すぎるほど名の知れたラッパーで、今も昔も、そして願わくば今後も日本のヒップホップ界を盛り上げる孤高のラッパーです。

般若の楽曲の多くは、熱い社会的なメッセージを含みます。「平和」をテーマにしたり、援助交際や警察官の汚職への批判などを歌っています。般若の個性的なキャラクター性が光るバイブスは、とても情熱的でリスナーを釘付けにします。自身が超ネガティブだからこそ、常に前向きな般若のリリックは、リスナーの人生を後押ししてくれます。弱さや臆病さも認める般若だからこその、力強く説得力のあるリリックが魅力です。

俳優や声優もこなす、マルチな才能の般若の今後の活躍が楽しみです。

 

【般若のバトル】

【般若vsR指定】フリースタイルダンジョン神回 ラスボス対決!

 

【ラスボス 般若vsSIMON JAP】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【ラスボス 般若vs焚巻】フリースタイルダンジョン史上初 ラスボス登場の神回バトル!


R指定(初代モンスター・3代目)

excite.co.jpより出典

所属レーベル クリーパーズ(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
所属事務所 ソニー・ミュージックエンターテイメント
主なMCバトル戦歴 2010年:「SPOTLIGHT 2010」ベスト4。

2011年:「SPOTLIGHT 2011」優勝。

2012年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP 2012」優勝。

2013年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP 2013」優勝。

2014年:「UMB GRAND CHAMPIONSHIP 2014」優勝。

2014年:「SPOTLIGHT 2014」優勝。

「フリースタイルダンジョン」初代モンスター・3代目のラスボスは、前人未到のUMB本戦3連覇、大阪予選5連覇を成し遂げた、名実共に最強のラッパーR指定です。R指定のラップの特徴は、「聖徳太子スタイル」と呼ばれる、いくつか出されたお題を全て駆使して即興で完成させるフリースタイルです。高校時代に大阪の梅田サイファー(公園や駅前などの路上で複数人のラッパーがラップをするヒップホップ文化の一つ)で、ラップスキルを磨いて実力を付けました。MCバトルでの勝利への気迫はひがみから来ているという、非モテのR指定の本質も、従来のヒップホップファン以外からの高い人気を誇る理由でしょう。

創作が得意なR指定の、今後のサウンドに期待です。

 

【R指定のバトル】

【般若vsR指定】フリースタイルダンジョン神回 ラスボス対決!

 

【R指定vs呂布カルマ】フリースタイルダンジョン史上初 負けを認めた神回バトル!

 

【R指定vsチコカリート】フリースタイルダンジョン神回バトル

 

【R指定vsFORK】フリースタイルダンジョン神回バトル 文字起こし!

 

【R指定vsTKda黒ぶち】フリースタイルダンジョン神回バトル


本記事では、ヒップホップ界のモンスター番組「フリースタイルダンジョン」の歴代モンスター勢とラスボス2人を紹介いたしました。

ご紹介したラッパー達のMCバトルの実績をご覧になって、様々なMCバトルに興味を持っていただけたでしょうか?

「フリースタイルダンジョン」は惜しまれながらも終了しましたが、現在は後継番組「フリースタイルティーチャー」が放送されています。こちらの番組でも、「フリースタイルダンジョン」とは違う角度でヒップホップを学べます。

この記事で、ますますヒップホップや各ラッパー、また彼らのリリックに興味を持っていただけたら嬉しいです。