Ski Mask the Slump God の生い立ちと活躍

アメリカの10代、20代から、圧倒的な支持を集める若きラッパーSki Mask the Slump God(スキー・マスク・ザ・スランプ・ゴッド)。

若い世代の心に刺さるリリックやオリジナリティ溢れる楽曲センスが特徴で、多くのメディアから取り上げられるカリスマです。

2019年11月から2020年6月まで一時表舞台から遠ざかっていましたが、2020年7月にリリースした「Burn The Hoods」は衝撃的なリリックも多く世界中で話題となった作品です。

今回は若きカリスマ、Ski Maskの生い立ちとこれまでの活躍についてまとめました。

Ski Maskのプロフィール

miaminewtimes.comより出典

出生名 Stokeley Clevon Goulbourne(ストークリー・クレボン・ゴールボーン)
アーティスト名 Ski Mask the Slump God(スキー・マスク・ザ・スランプ・ゴッド)
生年月日 1996年4月18日
身長 不明
出身地 アメリカ合衆国 フロリダ州 フォートローダーデール
レーベル Victor Victor、Republic

生い立ちとデビュー後の活躍

orangemag.coより出典

Ski Maskは1996年4月18日に、アメリカのフロリダ州フォートローダーデールで生まれました。両親はしばしば家の周りでジャマイカ音楽を演奏し、幼少期から音楽に囲まれた生活を送ります。また父親から頻繁にラップミュージックを勧められ、10代の頃から作曲活動を始めるのです。

音楽に囲まれた生活をしながらも、アウトローな一面もあったSki Mask。19歳の時、マリファナ所持の罪で逮捕され少年院に送られます。そこで当時17歳だった、カリスマラッパーであるXXXTentacion(エックスエックスエックステンタシオン)ことJahseh Dwayne Ricardo Onfroy(ジャセー・ドウェイン・リカルド・オンフロイ)と出会うのです。銃の違法所持で逮捕されたXXXTentacionも、ジャマイカ系の血筋で、ラップに興味があることから意気投合。出所後ラップデュオグループ「VeryRare」を結成し、2人で本格的にラップ活動を開始。互いにマイクなどの機材を買い揃え、日々レコーディング作業に没頭します。そして2014年、ストリーミングサービスSoundCloudにてファーストシングル「CatchMe」をリリースしました。

Ski MaskとXXXTentacionのデュオグループ「VeryRare」は徐々にメンバーを増やしていくと、「Members Only」として活動していきます。2014年にはアルバム「Members Only Vol. 1」をリリース。2015年には、立て続けに「Members Only Vol. 2」をリリースします。その後メンバーにはRobb Banks(ロッブバンクス)など勢いのあるラッパーが集まり、着々と知名度を広げていくのです。

順調にキャリアを積み上げていたSki Maskでしたが、2016年に運転免許証停止期間に車を運転しており再度逮捕。活動が止まってしまった時期でもありますが、すぐにラップ活動を再開します。そして2017年にはソロシングル「Catch Me Outside」と「Baby Wipe」をリリース。どちらもRIAA(アメリカレコード協会)より、ゴールド認定を受けるのです。

Ski Maskの勢いは止まることを知りません。2018年5月にアルバム「Beware the Book of Eli」をリリース。6月にはHIPHOP雑誌「XXL」の選ぶ注目新人ラッパー、「XXL Freshman Class」の1人に抜擢されます。その後11月にはデビュースタジオアルバムである「Stokeley」をリリース。アルバムはたちまち話題となり、Billboard 200 chartの6位にランクインします。


XXXTentacionが殺害される

fnmnl.tvより出典

Ski Maskの活躍が世界的にも認知されてきた中、2018年6月18日事件は起こります。Ski Maskの相棒でありビジネスパートナーであったXXXTentacionが、フロリダ州ディアフィールドビーチのバイクショップを出たところで、2人組の黒人男性に銃撃され死亡しました。

被疑者の1人であるDedrick Williams(デリック・ウィリアムズ)は、保護観察官との面会に訪れていたとあるビルにて、XXXTentacionを見かけたようです。当時XXXTentacionは住居侵入の罪に問われており、被疑者のDedrick Williamsと同じビルに訪れていました。その際にXXXTentacionの豪華な車が目に入り、記憶に留めておいたようです。後日に再度車を見かけたDedrick Williamsは、仲間を呼び強盗目的でXXXTentacionを銃撃したと思われます。

衝撃的なニュースを聞いたSki Maskは、ひどく落ち込み悲しみます。失意の底でSki MaskはフィンランドのフェスBlockfestに出演。その際、前代未聞のパフォーマンスでXXXTentacionの追悼を表現しました。なんとステージ脇にある巨大な鉄骨によじ登り、XXXTentacionの楽曲「Jocelyn Flores」を熱唱。かなり高い位置まで上っているのでとても危険な行為ですが、天国にいるXXXTentacionに自身の声を届かせたかったと思われます。

Blockfestの出演以降、悲しさを糧にアーティストとして一段と強くなったSki Maskは、マイアミ最大のHIPHOPイベントRolling Loud Festivalに出演、大ヒット映画「スパイダーマン:スパイダーバース」で「Save the Day」が挿入歌として使用されるなど、快進撃を続けています。


Ski Maskの代表曲

Catch Me Outside

「Catch Me Outside」は、2017年にアメリカレコード協会よりゴールド認定を受けたヒット曲です。90年代末から00年代にかけ、ラップシーンの潮流を作り上げたMissy ElliotとTimbalandのコンビがいます。そのコンビが生み出したトラック「She’s a Bitch」のビートを、Ski Maskは「Catch Me Outside」で使用しています。

Missy Elliotは自身のTwitterで、Ski Maskが自身の楽曲ビートを使用したことについて称えるツイートを投稿。これには多くのファンが喜び、Ski Maskの名は世界中に広まりました。

Nuketown

Ski Maskdのデビュースタジオアルバム「STOKELEY」から、実力派ラッパーJuice WRLDを迎えたのが「Nuketown」です。キャッチーさと力強いリリックが織り交じり、聴き手を飽きさせない曲調は何度もリピートしたくなります。

Burn The Hoods

一時表舞台から遠ざかっていた期間から、衝撃の復帰作となったのが「Burn The Hoods」です。2020年7月にリリースした今作は、衝撃的で過激なリリックも多く、世界中で話題となった一曲。

またSki Maskはインタビューにて、楽曲タイトルを「Burn The Hoods」ではなく「Fuck Donald Trump」とコメント。また歌詞の中にもトランプ大統領を批判した一文も出てきたり、メッセージ性の強いリリックが詰まっています。

MVでは白人至上主義団体のKKKと思わしき集団を退治するシーンも多々あり、強い政治性も感じられる一曲です。


いかがだったでしょうか?

Ski Mask the Slump Godが、今のHIPHOPシーンの主役であることがわかっていただけたかと思います。怖いもの知らずのSki Maskの勢いは、止まることを知りません。これからの活躍も必見です。

USラッパーについてもっと知りたい方は「USラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。