ほんの少し前までは少年院や刑務所にいた落ちこぼれの少年たちが、横浜アリーナでワンマンライブ。そんな川崎の不良たちから一躍トップまで躍り出たラップグループが、BADHOPです。
2020年における日本語ラップシーンにおいて、中心的な存在であるため名前だけは聞いたことあるという方も多いのではないでしょうか。
8人から成るこのラップグループはいかにして、そのスターダムを駆け上がっていったのか。この記事では、それぞれのメンバーの生い立ちから代表曲までを解説して、彼らが成功した理由に迫っていきます。
目次
BADHOPのプロフィール
dews365.comより出典
アーティスト名 | BADHOP |
メンバー
(画像左上から順) |
Yellow Pato(本名:関根流星)、G-K.I.D(本名:りょう)、
T-pablow(本名:岩瀬達哉)、YZERR(本名:岩瀬雄哉)、 Vingo(本名:あべしんのすけ)、Benjazzy(本名:石川ゆきかず)、 Tiji Jojo(本名:吉村敦也)、Bark(本名:日野原ゆうき) |
生年月日 | 1994年生まれのBenjazzyを除き、メンバー7人は1995年度生まれの同学年 |
生誕地 | 神奈川県川崎市川崎区川中島ほか |
出身地 | 神奈川県川崎市川崎区川中島ほか |
レーベル | BAD HOP Records |
メンバーのプロフィールと生い立ち
T-Pablow
(T-Pablowの公式Twitterより出典)
YZERR
(kai-you.netより出典)
2人の地元である川崎区は、HIPHOP文化がさかんであったため、HIPHOP自体は幼い頃から親しんでいました。ただ、ラッパーになるほどの衝撃を受けたのは、ニューヨークへの渡米です。そして、もう1つ、2人がラッパーを続けることになるイベントがありました。当時、はじまったばかりの高校生ラップ選手権への出場です。後に多くのラッパーを輩出することとなるこのイベントに、2人は第1回大会から参加し、T-pablowが第1回と第4回、YZERRが第2回で優勝を果たします。この優勝は大きな契機となり、2人のラッパーとしての知名度と人気を確固たるものにし、2014年のBADHOP本格始動へと繋がっていきます。
Tiji Jojo
(ototoy.jpより出典)
Bark
(badhoppress.comより出典)
2人の保育園時代からの仲間で、BADHOPのメンバーであるのがTiji JojoとBarkです。まず、Tiji Jojoは在日韓国人として川崎区池上町で生まれ育ちました。幼い頃から、差別と貧困を経験し、中学生のころには、保育園時代の仲間であるT-pablow、YZERR、Barkと非行を繰り返します。そして、高校時代には少年院に送られました。出所すると、岩瀬兄弟が高校生ラップ選手権で優勝をしていたこともあり、自身もラップを始めるようになります。BarkはBADHOPのメンバーでは珍しく、高校まで通っていますが、徐々に荒れてしまいやはり少年院送致になっています。
Yellow Pato
(左)G-K.I.D (右)Vingo
Benjazzy
(すべてbadhoppress.comより出典)
Yellow Patoはサッカー経験者の多いBADHOPのメンバーのなかでも、もっともサッカーが上手い存在として知られています。それもそのはず、もともとはJリーグの強豪クラブのユースチームで活躍し、将来を期待されていた存在でした。ただ、ご多分に漏れず徐々に道から外れ、不良になってしまいます。G-K.I.Dは、実家がヤクザでお金持ちというBADHOPの中における異質の存在です。そのため、1人だけバッググラウンドが違い、それがラップのスタイルにも現れています。Vingoもその意味では異質の存在かもしれません。もともとは、東京の違うグループで活躍していたVingoは、YZERRと親しくなるうちにヘッドハンティングのような形でBADHOPに加入しました。メンバーで1人だけ、年齢が違うのがBenjazzyです。彼は、岩瀬兄弟の兄であるMASAと親しく、その流れでBADHOPに加入しました。父親は英語教師であり、Barkの担任も受け持ったことがあるようです。
BADHOPの結成とグループの成功
BADHOPは2014年に結成されますが、このグループ名はもともとおこなっていたイベントからとられています。元々の意味は野球のイレギュラーバウンド、そこから転じて予想できない跳ね方や未来を勝ち取れるようにという意味が込められています。結成してすぐに、コンピレーションアルバムを出しますが、この時はあくまで一時的なグループという扱いだったようです。しかし、このアルバムが成功しメンバーも手応えを感じると、翌年、アルバム『BADHOP』をリリースし、シーンに鮮烈な登場を果たします。それまで、日本語ラップのシーンにあまりいなかった本物のギャングスタによる、リアルなラップだったためです。その戦略も鮮やかでした。2016年には、ミックステープを無料配信したのです。これによって、多くのヘッズがBADHOPの音源を耳にすることとなります。そして、2017年に初めての全国流通アルバムである「Mobb Life」をリリース。多くのHIPHOPチャートを総なめし、いちやくトップアーティストへと上り詰めます。2018年には武道館ライブ、2019年には横浜アリーナ無観客ライブをそれぞれ成功し、日本語ラップにおいて確固たる地位を確立しました。
BADHOPのファッション
block.fmより出典
BADHOPのファッションは、メンバーそれぞれによってスタイルと愛用ブランドが違いますが、基本的な部分は同じです。まず、グループでプロデュースしているBreatHをT-pablowをはじめとして多くのメンバーが愛用しています。岩瀬兄弟の兄MASAがファッションブランドを手掛けているなど、もとよりファッションセンスがあるため、その洗練されたデザインは、グループでプロデュースしているからではなく、オシャレなストリートファッションとして通用しています。また、川崎の古着屋であるNEW JOKEもグループ内では人気です。
BADHOPの代表曲
Kawasaki Drift
川崎区で有名になりたきゃ、人殺すかラッパーになるかだ。この名パンチラインでも有名なBADHOPの代表曲です。レペゼン川崎、そしてギャングスタの色彩が濃くトラック、そしてマイクリレーのような形のメンバーによるラップ、リリックに出ています。
Ocean View(feat.YZERR.Yellow Pata.Bark&T-pablow)
夏の海をイメージして作られた曲です。BADHOPの曲には珍しく、メロディアスなラブソング調になっているのが大きな特徴です。ギャングスタからラブソングまでそれぞれのメンバーの器用さが如実に出ています。
今回は、人気ラップグループであるBADHOPについて、メンバーのそれぞれの簡単なプロフィールから代表曲までを解説してきました。この記事だけでは語り尽くせないほど、多くの濃いエピソードも揃っているのがBADHOPです。そんな彼らだからこそ、単なる不良から日本語ラップを代表するグループにまで成長できたのかもしれません。
日本人ラッパーについてもっと知りたい方は「押さえておきたい日本人ラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。