ティーンに人気のTVスターから、全米1位の常連へと駆け上がった、カナダ出身ラッパー Drake。
デビューアルバムから8作連続全米1位を記録するなど、現在の北米のヒップホップシーンを語るには彼の存在は欠かせません。
一方で、「Drakeの人となりについてはあまり知らない」という人も多いのではないでしょうか?
ここでは、そんな彼の生い立ちやアルバム制作背景、ファッションをご紹介し、その人となりに迫っていきます!
目次
Drakeのプロフィール
hypebeast.comより出典
出生名 | Aubrey Drake Graham |
別名 | Drizzy、Champagne Papi |
生年月日 | 1986年10月24日 |
身長 | 182cm |
出身地 | カナダ オンタリオ州 トロント |
レーベル | repubric records、OVO Sound、Universal Motown、Young Money Entertainment、Cash Money Records |
Drakeの生い立ち
Drakeは1986年10月24日、カナダのトロントに生まれました。出生名はAubrey Drake Graham、父はアフリカ系アメリカ人であるDennis Graham、母はSandra”Sandi”Graham(née Sher)はユダヤ系カナダ人。父Dennisはテネシー州メンフィス州出身で、カントリー歌手のJerry Lee Lewisと共演していたドラマー。叔父にベーシストのLarry Grahamがいます。
Drakeはアメリカとカナダの2重国籍で、ユダヤ人学校に通い、13歳の時にはユダヤ教の伝統的な成人式であるバル・ミツワーを祝っています。Drakeが5歳の時に両親が離婚。離婚ののち、Drakeは母とトロントに残りましたが、父Dennisはメンフィスに戻り、麻薬関連の罪で何年か投獄されました。
Dennisは後に『Drake’s Dad』というタイトルの曲で、カナダのグループArkellsとミュージック・ビデオで共演しました。Dennisは2019年のインタビューで、自分が「不在の父親」だというのはDrakeのレコード・セールス上のイメージ戦略だと語りましたが、Drake本人はそれを激しく否定しました。Drakeと父Dennisとの関係は複雑なものであることが伺えます。
Drakeは小学6年までトロントの労働者地域であるウェストン・ロードに住んでいて、アマチュア・ホッケーをしていました。その後2000年に、街の裕福な地域の1つ、フォレスト・ヒルズに引っ越しました。その引越しについての質問に、Drakeは「家は半分だったけどね。他の家族が上半分に住んで、下半分がうちだったんだ。母さんが1階に住んで、俺は地下に住んでいたよ。家は大きくなかったし、豪華でもなかった。それが精一杯の暮らしだったんだ。」と語っています。
Drakeはフォレスト・ヒルズの高校時代に芸術への関心を見せるようになり、演劇を始めます。その後トロント市内のオークウッド・ヴォーガンの芸術系の高校に通います。しかし彼はその高校で人種的、宗教的背景のためにしばしばいじめを受けました。そして俳優としてのキャリアが急成長すると学校生活との両立は難しくなり、一度高校を中退、後の2012年に卒業資格を得ました。
15歳のとき、俳優志望のDrakeを学校の友人が、俳優エージェントである父親に紹介します。エージェントはDrakeをカナダのティーン向けドラマ・シリーズ「Degressi:Next Generation」に配役しました。彼の役はクラスメートに撃たれた後に身体障害者になったバスケのスター、Jimmy Scottでした。
Drakeは後に、俳優としての初期のキャリアについて尋ねられたとき、「母さんが病気でほとんど破産したみたいな状態だったから、入ってくる金はカナダのテレビからのものだけだったんだ。」と語っています。彼は2001年から2008年までの間、「Degressi:Next Generation」シリーズ中の100話に出演しています。
自主制作からの活動開始、Billboard1位の常連へ
billboard-japan.comより出典
かつて幼いDrakeは父Dennisと、「俳優でも音楽でも、何かでお父さんより有名になったら5ドルちょうだい!」と賭けをしたそうです。そんな幼い頃の夢を叶えるため、Drakeの野望は知名度をすでに得ていた俳優業から音楽活動へと、方向転換します。
Jay-ZとClipseの音楽性に影響を受け、ヒップホップ に活躍の場を見出したDrakeは、2006年、デビュー・ミックステープ『Room for improvemet』をセルフ・リリースします。『Room for improvemet』にはTrey Songsと、LupeFiascoが参加し、カナダのプロデューサーBoi-1daとFrankDukeによる膨大な曲が入っていました。Drakeはこのテープの内容を自身ではあまり評価していないようでしたが、6000枚以上の売り上げがありました。
2007年には自身で立ち上げたレーベル、OVOSoundから2枚目のミックステープ『Comeback Season』をリリース、このテープにはTrey Songsをフューチャリングしたシングル『Replacement Girl』を収録しています。この曲によってDrakeはミュージックビデオがBET(Black Entertainment Televison)で取り上げられた、初の無名カナダ人ラッパーとなりました。
2009年、3枚目のミックステープ『So Far Gone』をOVOのブログ上にて、当時は画期的だったフリー・ダウンロード形式でリリース。発表の2時間で2000ダウンロード超えを記録しました。収録曲の『Best I Ever Had』はBillboard Hot100で最高記録2位、同じく収録曲の『Successful』とともにゴールドディスクに認定されています。またDrakeは『So Far Gone』に4曲参加していたLil Wayneのレーベル、Young Money Entertainmentと正式契約をします。
2010年、メジャー・デビュー・アルバム『Thank Me Later』をリリース、初週で15万枚の売り上げを記録、全米Billboard200で初登場1位を記録します。
2011年に2作目のアルバム『Take Care』をリリース、初週63万1000枚を売り上げ、累計売上数は200万枚を超えています。2013年3作目のアルバム『Nothing Was the Same』をリリース。初週売り上げは68万5000枚でした。
2015年4枚目のミックステープ『 If You’re Reading This It’s Too Late 』を予告なしでiTunes Storeでリリースし全米1位となります。2016年には4枚目のアルバム『Views』をリリースするとこちらは全米6種連続1位を記録、大ヒット作となります。このアルバムのアートワークや、収録曲『HOTLINE BLING』のダンスも話題となり、Drakeはインターネット・ミームとしても人気になりました。
2017年にはミックステープ『More Life』をリリース、自身7枚目の全米1位を獲得、2018年にはEP『Scary Hour』をリリース、収録曲『God`s Plan』は11週連続全米1位を記録します。この年にDrakeは全米Billboardで計29週1位という記録を出しました。
2019年にはDrakeのシングル・アルバムの総売上は1億7000万以上、大スターとしての地位を揺るぎないものにしました。プライベートでもRihannaなどのスターとの交際経験があり、その華やかな私生活も注目の的となっています。
Drakeのファッション
gqjapan.jpより出典
Drakeの普段のファッションはオールブラックのストリート系コーデや、NikeなどのスポーツウエアやStone Islandなどのアイテムを使ったコーデが多いようです。
また、2008年にはミュージシャンのOliver El-Khatib、プロデューサーNoah”40”Shebibとともにブランド「October`s Very Own(OVO)」を立ち上げています。
Drakeの代表曲
One Dance
『Views』収録曲でダンスホール・レゲエを取り入れた楽曲。世界15カ国のチャートで1位を記録し2016年に世界で最も売れた1曲。イギリスで15週連続1位を記録、イギリスチャートで史上2番目に長く1位を記録します。
In My Feeling
2018年に発表され、この曲のダンスチャレンジがネット上で大流行。なんと各地で事故が多発します。というのも、そのチャレンジが走行中の車から飛び出して反対車線で踊る、というものだったからです。そんな話題もあってかこの曲は全米で10週連続1位を記録しました。
Toosie Slide
2020年4月にリリースされた曲で、全米Billboardで7度目の1位を獲得。この曲はリリース前からダンサーでミュージシャンのAyo&TeoによってSNS上で拡散され、おもにTickTokで話題を呼んでいました。
いかがだったでしょうか?
輝かしい実績を持つDrakeですが、「へなちょこダンス・ミーム」を始め、自身の曲をフィーチャーしたダンス・チャレンジを実施するなど、実は風変わりな仕掛けを作るアイデアマンでもあります。
音源だけでなく、アーティストとしての活動そのものが、彼の人気のヒミツになっているのかも知れませんね!
USラッパーについてもっと知りたい方は「USラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。