地元の茨城県水戸市をフッドとして活躍しつつ、エロ神クズおの名称でも人気を博しているラッパーがt-Aceです。そのラッパー離れしたルックスと、甘い官能的なリリックによるラップは多くの女性を虜にしています。
水戸の親善大使にラッパーとして初めて任命されるなど、社会的にも成功したと言っても過言ではないt-Ace、テレビやラジオといったメディアへの露出も多く、独特のポジションから日本のHIPHOPシーンを盛り上げています。
そんなt-Aceはいかにしてラッパーとして成功に至ったのでしょうか?
この記事では彼の生い立ちから「超ヤバい」成功までの苦労、ファッション、そしておすすめの楽曲を解説して、彼の素顔に迫っていきたいと思います。
t-Aceのプロフィール
t-ace.loveより出典
出生名 | 住谷翼 |
アーティスト名 | t-Ace |
生年月日 | 1981年4月3日 |
身長 | 182cm |
生誕地 | 沖縄県 |
出身地 | 茨城県水戸市 |
レーベル | P-vine |
生い立ちからラッパー転身まで
今ではすっかりレペゼン茨城水戸を代表するラッパーであるt-Aceですが、その出生地は沖縄県です。しかし、沖縄県には3歳のときまでしか住んでおらず、t-Ace本人もほとんど記憶がないと語っています。4歳になると、父親の転勤で千葉県に引っ越しますが両親が離婚、この時t-Aceは母親が飲み屋で働いていたのが嫌だったため父親についていくことになります。ただ、父親も仕事が忙しくなかなか家庭に構うことができなかったため、幼きt-Aceは親戚中をたらい回しにされます。7歳の時にようやく父方の祖母が彼を引き取ることが決まり、その生活に落ち着きが取り戻されます。この時、祖母が住んでいた土地が後の彼のフッドとなる茨城県水戸市でした。茨城県水戸市というと、茨城県の県庁所在地で中核都市になります。繁華街がありクラブも豊富で、BUDDHA BRANDのDEVLARGEが曲をプロデュースしたLUNCH TIME SPEAXやMr.Low-D、GOTITといったラッパーを輩出しています。
中学生になると、父親が新しい母親と再婚します。しかし、腹違いの弟が生まれるなど、思春期には重い体験が続いてしまい、彼はいつしか水戸から離れた渋谷などで遊ぶようになっていました。この頃、地元の友人達の影響でHIPHOPとも出会っています。最初のころは、ラッパーではなく、DJとして活動していたようです。渋谷の有名クラブ、Harlemでも廻した経験がある彼でしたが、16歳の時に衝撃的な事件が起こりその活動を休止します。ある日、彼の一番の友人が薬物中毒者に殺されてしまったのです。このことが、彼に暗い影を落とし、DJとしての活動をやめ、水戸に戻り鳶職として働くことになりました。この間、高校にも入学していますが、すぐに退学をしています。
仲間の助けもあって、無事立ち直った彼は、DJ翼名義で水戸で精力的に活動をします。ミックステープなどの音源発表やクラブでのライブといった活動を日々こなしていた彼がDJからラッパーに転身するきっかけとなったのが、地元水戸の代表的なラップグループであるLUNCH TIME SPEAXです。DJ翼が20代前半のときにLUNCH TIME SPEAXはBUDDHA BRANDのDEVLARGEに見いだされて、ソニーミュージックよりメジャーデビューを果たしました。LUNCH TIME SPEAXの代表曲である止マッテタマッカをDEVLARGEがリミックスした楽曲などは、当時の日本語ラップシーンにおいて大きく流行り、2020年でもクラシックとして根強い人気を博しています。彼らの成功を間近で見たDJ翼は、DJとしての活動を終え、ラッパーt-Aceへと変貌を遂げるのです。
ラッパーとしての試練と路線変更による成功
ラッパーとしての活動をスタートさせたt-Aceですが、折からの不景気に日本語ラップのシーンの沈下を合わさってしまい、なかなか芽が出ない日々が続きました。この間も彼は、ラッパー以外としても働きながら、決して腐らないように努力し続けます。その努力がようやく実ったのはラッパー転身7年後の2008年です、CD「孤高の華」をリリースし、同年10月には「孤高の華2」もリリースします。しかし、これらは、決して評価の高い作品ではありませんでした。
その後もコンスタントに作品をリリースし続けたt-Aceですが、そのハーコー路線は一部では支持されるものの、シーンにおいては古臭いモノとして受け止められ、なかなかヒットできない日々が続きます。そんな彼がヒットする転機となったのが、それまでのハーコー路線からチャラ男路線への変更です。
2016年ごろから徐々にチャラ男路線へとシフトしていき、2017年にリリースした「超ヤバい」で大ブレイク、いちやくチャラ男キャラとしてその名前をシーンに轟かすこととなるのです。この楽曲が特にヒットしたのはTiktokでした。全体的にノリのいいリリックとビートが、若者の間で文字通り超ヤバいと評価され、人気動画ランキング1位も獲得しています。さらに2018年には「メンタルヤンキー」をリリースすると、これがキャバ嬢の間で大ヒット、飲み会の定番コールにもなるなど、t-Aceのシーンでの存在を確固たるものにしました。
t-Aceのファッションと彼女は?
チャラ男であるt-Aceですが、その女性関係は詳しく明らかにしていません。しかし、彼が初めて付き合った彼女はなんらかの事情により早逝したことが、彼の楽曲からうかがい知ることができます。彼女と破局した理由はt-aceにあったとのことで、t-Aceはこのことについてとても後悔していることを楽曲中でラップしています。
女性関係で唯一公表しているのが、結婚歴がないという点です。t-Ace本人は結婚願望がないとのことで、今までも今後も結婚しないことを明らかにしています。ただ、結婚はしなくても子供はほしいとのことで、子供だけはいろんなところに作りたい、5~6人はほしい、みんな大学に行かせて幸せにしてみせるとその独特の価値観をインタビューで語っています。好きな女性のタイプは、とにかく顔が可愛くてサバサバしている子だそうです。
t-Aceの楽曲
超ヤバい
チャラ男路線を決定づけたこの曲はなんといっても、タトゥーへの愛に溢れた楽曲です。オートチューンを全体に使っているので、とてもメロディアスなラップに仕上がっており、そのPVとも合わせて、誰しもとにかくチャラいと思ってしまうこと間違いなしでしょう。この楽曲はTiktokでもバズり、You Tubeで2000万回再生以上されました。
メンタルヤンキー
キャバ嬢の間で大ヒットし、飲み会の定番コールにもなった楽曲。「どうせ人生なんて生まれて死んでくだけ」というインパクトのあるフレーズと、細部に感じるチャラさと強さがt-Aceらしい一曲です。
PORSCHEでKISS
t-Aceがタイトル通り、ポルシェでキスをしている2人について、ラップをした純愛路線の楽曲です。キスをしているけど付き合っているわけではない、そんな2人の微妙な関係がメロウなフロウで表現されています。
今回は、ラッパーt-Aceについて、彼の詳しい生い立ちからファッション、代表曲までを解説してきました。
売れても地元の水戸を大事にする彼には、複雑な生い立ちがあることや今の路線に至るまでの経緯を知ってもらえたでしょうか。
この記事を読んで興味を持った方も、もとより興味があった方も今一度彼の楽曲を楽しんでみてはいかがでしょうか。
日本人ラッパーについてもっと知りたい方は「押さえておきたい日本人ラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。