韓国ラッパーWoo 生い立ちから人気ラッパーになるまでの道のり。

新進気鋭の若手ラッパー達が頂点を目指し、サバイバルを繰り広げるラップトーナメント番組「SHOW ME THE MONEY

youtubeにアップロードされた番組関連の動画は世界中で視聴され、軒並み数百万回再生の人気ぶりです。

ここでは、そんな「SHOW ME THE MONEY」の2017年に開催されたシーズン6において、3位という結果となるも、優勝者と同等の知名度を獲得したと評されたラッパー、Wooについてまとめていきます。

Woo「SHOW ME THE MONEY」で人気を獲得するまでの経緯、そして「SHOW ME THE MONEY」以後の活躍ぶりについて見ていきましょう。

また、彼のファッション代表曲なども取り上げ、さらに彼の人物像に迫っていきたいと思います。

 

Wooのプロフィール

insight.co.krより出典

出生名 우원재(ウ・ウォンジェ)
アーティスト名 Woo
生年月日 1996年12月23日
身長 171cm
出身地 大韓民国 慶尚北道 慶州市
レーベル AOMG

Wooの生い立ち

Wooは1996年12月23日に、大韓民国 慶尚北道 慶州市に生まれました。

うつ病やパニック障害、不安障害などの複数の精神疾患を抱えていることを公表しているWooは、幼い頃より、社会における自分の居場所について疑問を覚えたり、他人と関わることに苦痛を感じてきたそうです。

そんな中、姉のMP3プレイヤーに入っていたTiger JK(韓国系アメリカ人のラッパーで、伝説的ヒップホップグループDrunken Tigerの創設者として有名)の楽曲を聴き、ヒップホップと出会いました。ラップを始めた具体的な経緯は明かされていませんが、Wooが感じていた社会への違和感やもどかしさといった感情を、ラップを通じて外の世界に吐き出そうとしたのかもしれません

自身の感情を吐露する形で、Wooは次々とリリックを書き連ねていきますが、音源の発表やライブ活動など、実際にラッパーとして活動は見せていませんでした。しかし、自分を変えるきっかけが欲しかった彼は、人気番組「SHOW ME THE MONEY」に応募し、初めてラッパーという肩書きで表舞台に立つこととなりました。

複数の精神疾患を抱え、社会や他人に対して恐怖を覚えていたWooでしたが、あえて人目につく環境に身を置き、自分を変えたいという思いがあったのでしょう。


WooのSHOW ME THE MONEYでの活躍

mnetjp.comより出典

2017年に開催された「SHOW ME THE MONEY 6」に出場したWooでしたが、トーナメントが開始されるや否や、彼のラップスタイルで話題は持ち切りになりました。

自身が複数の精神疾患を抱えていることや、そのことにより向精神薬を服用していることを赤裸々にラップしたことにより、他の出場者とは一線を画した異質なラッパーとして大きな注目を集めることになるのです。

Wooは、1次オーディションからその存在感を見せつけます。1次オーディションはフリースタイルの審査でしたが、Wooの審査を担当したのは、運命的にもWooがラップを始めるきっかけとなったTiger JKでした。Wooはそこで、かねてから憧れを抱いていたTiger JKに対し、思いの丈を全て吐き出します。それに対しTiger JKは、自身の心情や、生い立ちがラップに強く投影されており、とても感心させられるものであったという高評価を与えました。そしてWooは、無事1次オーディションを通過することとなりました。

一次オーディション後、Wooはインタビューにて、ラップをするきっかけを与えてくれたTinger JKに、フリースタイルを審査され、そして合格を勝ち取ったことはとても感慨深いことだと述べています。この一連のドラマがあったことも相まって、Wooのこのフリースタイルは大きな反響を生みました。

Wooがトーナメント中に高評価を得た理由としては、そのリリックの内容のみならず、確固たるグルーヴ感を持ち合わせていたことも一つの要因として挙げられるでしょう。トーナメントを勝ち進んでいくにあたり、様々な種類のビートを解釈していく必要がありましたが、Wooはどんなビートでも見事に乗りこなしていきました。

また、Wooラップスタイルが鬼気迫るものであったことも、高い評価を得る一つの要素となりました。ラップの途中で息が切れるような瞬間が度々見受けられ、演技ではないかという批判も受けましたが、それについてWooはインタビューで、喘息持ちのため肺活量がなく、単純に息が切れているだけだという回答をしていました。しかし、そういった持病も偶然の産物となり、Wooのラップスタイルにインパクトを持たせることとなりました。

Wooはその後も順調に勝ち進みますが、決勝トーナメントの一次審査で惜しくも敗退し、3位で終わる結果となりました。しかし、圧倒的な存在感を示したWooの姿は、視聴者の脳裏に焼き付くことになりました。


SHOW ME THE MONEY後のWoo

Wooは、「SHOW ME THE MONEY 6」出場をきっかけに、プロデューサーとして出演していたGRAYLOCOなどレーベルAOMGのアーティスト達に才能を見出される形となり、彼らのレーベルAOMGに招かれることとなりました。AOMGは、JYPエンターテインメントの人気男性アイドルグループ2PMの元メンバーであるJay Parkが設立し、主にヒップホップアーティストが所属するレーベルとなっています。

これまでは音源を発表してこなかったWooですが、AOMG加入後、立て続けに音源をリリースしていくことになります。

トーナメント直後には、決勝の最終ラウンドのために用意されていた『We Are』を2017年に発表。プロデューサーのLOCOGRAYを客演に迎えたこの曲は、韓国の総合音楽チャートであるガオンチャートのダウンロード及びストリーミングチャートでいずれも1位を記録し、大きな話題となりました。

2020年には1st『Black Out』2nd『af』という2作のスタジオアルバムを立て続けにリリース。1stはガオンチャートのアルバムチャートで31位2ndは同チャートで37位を記録することとなり、ヒップホップシーンを飛び越え、世間にも注目されるアーティストとなりました。


Wooのファッション

sedaily.comより出典

Wooのファッションは、「SHOW ME THE MONEY 6」出演時は、目深にニット帽を被ったミステリアスな印象が強かったです。しかし最近は、ニット帽を取ったオープンなスタイルをするようになっています。また、目を隠していたニット帽を取ったことにより、端正な顔立ちをしていたこととがわかり、話題となりました。

またWooは、複数のタトゥーを入れていることでも有名です。

insight.co.krより出典

首に入れられているこの特徴的なタトゥーは、植物のトゲを意味します。トゲは自らを傷つけるものではなく、守ってくれるものだという意味合いが込められているそうです。Wooのタトゥーは、彼の人生観や教訓などが強く反映されたものとなっています。


Wooの代表曲

2017年「SHOW ME THE MONEY 6」のトーナメント中に披露されたこの曲は、かねてから憧れを抱いていたラッパーTiger JKを客演の一人に迎えた、Wooにとって特別な意味合いを持つ一曲となりました。Wooが今まで貫いてきた内省的なラップの集大成とも言える出来栄えです。

 

시차 (We Are)

2017年「SHOW ME THE MONEY 6」決勝の最終ラウンド用の曲として用意されていたこの曲は、トーナメント終了直後の同年2017年にリリースされました。プロデューサーのLOCOGRAYを客演に迎えており、以前のダークなスタイルとは打って変わり、キャッチーな印象を与えるものとなっています。再生回数は約3500万回を超え、世界中から高い関心が寄せられました。

 

USED TO

2020年にAOMGからリリースされた1stアルバム『Black Out』からのシングルカットとなったこの曲は、バンドサウンドを取り入れた、アーティスティックな内容となっています。MVが独創的なものに仕上がっていることも話題となりました。


以上、Woo「SHOW ME THE MONEY」で人気を獲得するまでの経緯、そして現在に至るまでの活動について触れていきました。

精神疾患を一つの原動力として、ラップを紡いできたWoo。現在はうつ病とパニック障害を克服し、その精神疾患は快方に向かっているようです。

今後、新たな心境で紡がれていくWooのラップにぜひとも注目していきたいですね。

韓国ヒップホップグループとラッパーについてもっと知りたい方は「おすすめの韓国ヒップホップグループ&ラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。