ラッパー般若のラップ人生、ファッション、主な作品を徹底解説!

人気MCバトル番組「フリーダンジョン」の初代ラスボスとしても有名な、般若。

同番組で繰り広げた伝説的なバトルを見て、彼のファンになった方も少なくないでしょう。

相手に投げかける熱い言葉・的を射たディスや現代社会を風刺する鋭さ、声量・発生の良さ、経験値の高さ、溢れる勢い、高いスキルと、般若は圧倒的な強さとオーラを誇ります。

般若の爆発的なパワー感の秘密は、どこにあるのでしょうか?

本記事では、ラッパー 般若のプロフィールやラップ人生、ファッション観、主な作品をご紹介します。

読み終わる頃には、もっと般若の世界観を楽しめるようになるでしょう。

般若のプロフィール

lifemagazine.yahoo.co.jpより出典

出生名 武田 嘉穂(たけだ よしほ)
アーティスト名 般若(はんにゃ)
生年月日 1978年10月18日
身長 175cm
出身地 東京都世田谷区三軒茶屋
レーベル CULTURE OF ASIA(2000年)、FUTURE SHOCK FOUNDATION(2003〜2004年)、ポニーキャニオン(2005年)、avex rush/妄RECORDS(2005〜2006年)、昭和レコード(2008年)、プライエイド・レコーズ(2009年)、昭和レコード(2010年〜)
公式サイト http://www.hannya.jp
Twitter https://twitter.com/Hannya_Tokyo

般若の生い立ちからラッパーとしての成功まで

kai-you.netより出典

般若は韓国人の父親と日本人の母親を持ち、東京都世田谷区三軒茶屋で生まれました。しかし、父親は般若が1歳半〜2歳になる頃には既にいなかったため、父親の記憶は無いそうです。また般若は、自身が日韓ハーフと20歳を過ぎるまで知らずに育ったそうです。なお日本で育ち、国籍も日本で、般若の家は韓国文化の香るタイプではなかったようです。

幼少期はかなり壮絶なイジメを体験し、般若は日々苦しんでいました。母親は一生懸命仕事をしていましたが、貧乏な片親の家だったこともあり、般若は集団からのいじめに遭ったり、寂しさを抱えたりという幼少期を過ごします。

中学校ではサッカー部に所属していた般若ですが、高校では途中からサッカー部よりラップグループの結成を選びます。ラップにのめり込む持ったきっかけは、同じ高校の女性ラッパーRUMIの日本語ラップライブを文化祭で見て、衝撃を受けたからです。そして、RUMIとDJ BAKUと共に般若が結成したラップグループの名は、なんと「般若」でした。ちなみに当時のアーティスト名は、本名の嘉穂(よしほ)から「YOSHI」でした。ヒップホップ漬けの生活の結果、高校2年生では進級危機を経験します。しかし、無事に進級し、高校を卒業しています。

そして般若は小学校や中学校の同級生と共に、地元である三軒茶屋で暴走族「三軒茶屋愚連隊」を結成します。三軒茶屋愚連隊のメンバー内で結成されたラップグループが、「妄走族」です。この時、MC名を般若に変え、般若は妄走族の主要メンバーでした。妄想族としての活動の傍ら、般若はフリースタイルの第一線で日々しのぎを削っていました。当時から、熱い言葉・的を射たディスや現代社会を風刺する鋭さが評判を呼んでおり、徐々に頭角を表していきます。

2002年のB-BOY PARKの準優勝した般若は、フリースタイルの第一線から退き、アルバムなどの音源リリースを中心に活動していました。しかし、2008年にUMB2008でバトルに復帰し、同大会で見事優勝を果たします。般若がフリースタイルバトルの第一線を退いている間、般若待望論や般若最強説が常に語られていました。そのため、UMB2008での優勝は、これらの説を証明した形となりました。

また漫画オタクとして知られる般若は、少年ジャンプのCMでラップを披露しています。CM中で般若は、上半身裸で海賊の衣装を羽織り、CM対象の少年ジャンプのアプリである「少年ジャンプ+」のゴールドのネックレスをぶら下げていました。般若らしさを丸ごと活かし、そこにジャンプの世界観を融合した、完成度の高いCMに仕上がっています。

さらに2018年にリリースした自伝「何者でもない」では、般若の世界観・音楽観を彼の生い立ちも踏まえて、うかがい知ることができます。

私生活では、2014年2月にシンガーのSAYと結婚しています。2012年11月28日にリリースされたSAYのシングル「ペダル feat.般若&SHINGO★西成」での共演をきっかけに、交際を始めたようです。SAYも美人で、カッコ良いカップルです。SAYとの間に長男もいて、般若は父親でもあります。妻であるSAY曰く、「素敵な父親」で「般若のスタイルのままのお父さん」だそうです。なんと、子供を使って筋トレまで行っています。般若は、R-指定に会いたがる息子のために、R-指定に頼んで飼い犬と共に3人で息子の幼稚園のお迎えに行ったこともあります。息子とのエピソードから、般若の息子を大切にしている良き父親像も伺えます。後述しますが、息子に贈った楽曲もあります。

また2017年まではボルボのSUV「XC90」が愛車でしたが、現在はトヨタの「ハリアー」とBMWの「ミニクーパー」を愛用しています。イメージ通り、般若はカッコ良い車を好むようです。

自伝で「世界=視野」と語る般若は、視野を広げることで自身の世界も大きくし、希望の見えない環境から抜け出しました。その強さと粘り強さは、スーパースターになった現在も健在で、カリスマパワーへと変貌しています。


フリースタイルダンジョンのラスボスとしての活躍

2015年9月の「フリースタイルダンジョン」の開始時から5th seasonまで、ラスボスに就任したのが般若です。

ラスボスの引退時に、フリーダンジョンで9回戦歴のある般若は「9という字は半端な数字なので10回戦ってみよう」と、2代目ラスボスであるR-指定との対戦を希望しました。そして、R-指定との濃厚な双方への感謝とリスペクトに溢れた3本勝負を最後にラスボスを引退しました。

ちなみに、般若がラスボスとして挑戦者と戦った9回は以下です。

2015.11.24 焚巻

2016.05.17 崇勲

2016.12.06 じょう

2017.03.21 NAIKA MC

2017.07.11 晋平太

2018.02.27 peko

2018.05.01 Lick-G

2018.06.05 MC ニガリa.k.a赤い稲妻

2018.09.25 SIMON JAP

MCバトルの強さだけでなく、存在感・パワー力・仲間をまとめるリーダー力・挑戦者に見せつけるラッパーとしての姿勢・番組を盛り上げるエンターテイナーとしての努力など、ラッパー般若の全てがまさにラスボスでした。

初代ラスボスが般若で、番組を3年半共に成長させたからこそ、フリーダンジョンの人気や影響力は大きくなったのでしょう。


般若のファッション

tocona.jpより出典

般若のファッションは、黒やシックな色味のアイテムの着用が多く、基本的にはシンプルなスタイルを好んでいます。

夏はTシャツにデニム、冬はハードなレザージャケットにデニムという、般若のイメージに合うすっきりとした、男らしいファッションといえるでしょう。

「全てはライブの為」と、般若は日々トレーニングを行っています。ライブのために始めた筋トレですが、魅力に取りつかれ、今ではすっかり筋トレにはまっています。筋トレDVDも作成したほどです。インスタグラムの投稿から察しても、かなり本格的なトレーニングです。その結果なのか、かつてはタンクトップの着用が多く見られました。フリースタイルダンジョンでもバトルの時は、常に上半身裸でしたし、「筋肉」も般若のファッションを語る上で外せないでしょう。


般若の主な作品紹介

ダンジョンでもサンプリングされた曲:「あの頃じゃねえ」

「あの頃じゃねえ」はフリーダンジョンでR-指定とのバトルの際に、サンプリングされた曲です。ビックチューンがとても多い般若の楽曲の中でも、特にリリカルな1曲です。

20年間の集大成を書いた曲で、等身大の自分自身を歌っています。ヒップホップで成功できたのは周りのおかげと、自身のブレないスタンスだとラップしており、「般若」を堪能できます。

「年齢を重ねるにつれて、『ヒップホップ=若者の文化』とギャップを感じる自分もいる。20年前と今の環境は違う。今は家族も仲間もいる。ヒップホップを辞めた人たちや他界した友人もいる。それでも、自分は歌い続けることができるのは、出会えた人の数だけ自分が成長しているから。」とラップする般若。何度も挫折を味わい、心が折れそうになりながらも、「自分が一番強いのは今だ、『あの頃じゃねえ』」と、自分を鼓舞するリリックもあり、挫けそうになる時もあるが前に進み続ける般若の強さを感じます。また、「ここまで上がれたのは1人の力ではない」と力強くラップしており、曲の終わりには「感謝、般若。」というリリックもあります。恥ずかしがりな般若らしい、周りへの感謝の表し方が伺えます。

般若のコミカルラップ代表曲:「やっちゃた」

般若の作品は大きく分けて、メッセージ重視とエンタメ重視になります。

「やっちゃた」は、般若のエンタメ重視の楽曲の中でも、コミカル系ラップの代表作品です。非常に面白いリリックが印象的で、同時に奥深いメッセージ性を持つという、般若ならではの深みのある作品に仕上がっています。90年代の渋谷のストリートを生き抜いた般若が経験したことを、コミカルなラップとして歌っています。様々な「やっちゃた」状況を明るくコミカルにラップしていて、前向きな視点を持つ大切さを再確認させられます。

息子への愛が詰まった:「家訓」

般若が、自身の息子に向けて歌った楽曲です。

親として息子への教え・守るべき大切なこと・将来の子に向けての思いを、本当に愛情たっぷりにラップしています。愛の詰まった楽曲で、すごく切ない曲です。


般若のプロフィールと成功までの経緯、ファッションスタイル、代表作をご紹介しました。

彼のことをより知って、リリックへの理解が深まったでしょうか?

テレビ番組やCMの出演や武道館でのワンマンライブの成功など、どんどん活躍を続けている般若の今後も楽しみです。

日本人ラッパーについてもっと知りたい方は「押さえておきたい日本人ラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。