クリープハイプの尾崎世界観さんに影響された独自の音楽性、そしてなによりもポジティブなリリックが多くの若者に支持されている、新時代を代表するラッパーの一人が空音です。
18歳で1stEPを発売すると19歳にして、メジャーデビューを果たすなど、今、シーンにおいてもっとも期待されているラッパーといっても過言ではない彼は、いかにしてラッパーとして成功したのか。ラップ人生や、彼のファッション事情、楽曲などについてこの記事ではまとめていきます。
目次
空音のプロフィール
sokonashi-rock.comより出典
出生名 | 非公開 |
アーティスト名 | 空音 |
生年月日 | 2001年1月4日 |
身長 | 非公開 |
生誕地 | 兵庫県尼崎市 |
出身地 | 兵庫県尼崎市 |
レーベル | SORANE |
生い立ちからプロデューサーとしての成功まで
空音は2001年に、関西地方の兵庫県尼崎市に生まれました。尼崎市は駅前でのサイファーが盛んであったりHIPHOPのイベントが開かれるなど、ラッパーが輩出されやすい土壌がある土地です。そんな土地に空音は、HIPHOPやミクスチャーロックといった音楽好きの両親のもとに誕生しています。幼少時から両親の影響から音楽に慣れ親しみ、ダンススクールにも通っていました。小学生から高校生まで通っていたこのダンススクールは、空音の音楽におけるリズム感のベースになります。中学生になると音楽好きの両親に影響され、日本語ラップやレゲエといった音楽を聴くようになります。この時、聴いていたのは主にKICK THE CAN CREWやそのユニットのMCであるKREVA、さらにはRIPSLYMEにミクスチャーであるDragon Ashもよく聴いていたそうです。
そんな空音が、HIPHOPの良さ、とりわけラップの良さに気づくのは高校生になってからでした。曲を聴いていく内に、自分でもラップをしたいと思うようになり、地元、阪神尼崎駅前でおこなわれていたサイファーに参加します。そこでメキメキと頭角を現すようになった空音にあるオファーが舞い込みました。それが、空音の名前を初めてシーンに轟かすこととなった「高校生ラップ選手権」への出場オファーでした。高校生ラップ選手権とは、CSスカパーの人気番組の企画であり、高ラの愛称でも広く親しまれています。これまで、多くのラッパーを輩出してきており、中にはT-pablowやMC☆ニガリといった有名人も含まれています。1回戦第1試合で、藤Koosと対戦した空音は惜しくも負けてしまいますが、その独自のフロウに世界観と大きなインパクトを残しました。この番組出演やサイファーでの活躍、You Tubeに上げた音源のバズリから、音楽一本で食べていくことを決意します。
You Tubeに上げた音源のバズリとは、2018年にアップロードした楽曲「planet tree」のヒットのことです。この楽曲は当初、HIPHOPのヘッズの間でのみ評価されていましたが、口コミで徐々に広まっていき、それまでHIPHOPを聴いたことのない人にも広く受け入れられました。このヒットにより、高校在学中に1st EPである「Mr.mind」を発表します。若いラッパーや高校生ラップ選手権出身のラッパーが増えている2020年でも、在学中に作品を発表するというのはとてもめずらしいことです。このことからも、空音の勢いと人気がわかってもらえるでしょう。その勢いのままに、その約半年後には1stフルアルバムである「Fantasy club」を発表し、多くのバイラルチャートのHIPHOP部門で1位を獲得します。そして、2020年6月には、2ndフルアルバムとして、「19FACT」を発表し、ビクターエンタテインメントからメジャーデビューします。ラッパーが、19歳でメジャーデビューを果たす。本場のアメリカではよくあることですが、遠い島国である日本で、しかも空音のようなスタイルでメジャーデビューを果たせることは極めて異例なことでした。
空音のスタイルは?
barks.jpより出典
高校生までダンススクールに通い、高校時代には軽音楽部に在籍していた空音の音楽としてのスタイルは、ややロキノン系に近いと言えるでしょう。強く影響を受けているアーティストとしては、ラッパーではKREVA、ロックではクリープハイプの尾崎世界観の名前を挙げています。2人とも自分で作詞から作曲までをおこなう大人気アーティストですが、空音も将来的には自分ですべてをやりたいという願望があるようです。
幅広い音楽に慣れ親しんできた空音は、多くの評論家やヘッズからリズム感に長けていると評されています。そのリズム感から、Chill Outやlo-fi寄りのトラックに上手く乗り、ポジティブでいて共感しやすいリリックを、グルーヴ感あふれるラップで乗せていくのが空音のスタイルです。
空音が強い影響を受けたラッパーとしては、KREVAのほかにも唾奇がいます。全体的にKREVAに影響を受けたとするならば、唾奇にはそのラップスタイルとして強い影響を受けています。空音は、唾奇のことを「比喩表現がすごく、自分もああなりたい」と語っています。また、高校生ラップ選手権をはじめとする大会でも、唾奇への影響を強く出しており、サンプリングからリリックに至るまで唾奇のリスペクトだらけです。さらには、はじめてリリックを書いたのも唾奇の影響としているので、その影響は計り知れませんね。
空音のファッションは?彼女はいるの?
— 空音 (@0_sorane_6) August 15, 2020
— 空音 (@0_sorane_6) October 16, 2020
2020年時点で、看護学生の彼女がいることを空音は公表しています。通常、恋愛をラップするアーティストは、そのプライベートを秘密にして、交際や結婚を公表をしないことが一般的ですが、あえて公表するという辺りに、空音の意思の強さを感じさせますよね。また、楽曲の中には、リスナーを応援する曲以外にも彼女に向けた曲もあるということなので、空音にとってとても大事な人と言えるでしょう。
空音の代表曲
planet tree
空音がブレイクするきっかけとなった楽曲です。全体的にビートをChill Outやlo-fi寄りにしており、そこにメロディアスなラップを乗せることで、聴く人の耳を癒やす楽曲に仕上がっています。
Hug feat.kojikoji
ファーストアルバムに収録されている、盟友的存在でもある女性シンガーkojikojiを客演に迎え入れた楽曲です。こちらもChill Outなトラックをベースに、空音とkojikojiがオートチューンを使って心地よくラップをしています。
Brighter
空音の代名詞であるChill Outトラックに、叙情的なリリック、グルーブ感あふれるラップをのせた知る人ぞ知る名曲です。空音自身も、この曲を聴いてから僕を判断してほしいとコメントをしています。
今回は、新世代を代表するラッパーである空音について、その詳しい生い立ちから代表曲までを解説してきました。ダンスによって磨かれたリズム感を、HIPHOPという土壌で表現する空音はこれからもっともっとブレイクすること間違いなしのアーティストです。この記事を読んで気になった方はぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。
日本人ラッパーについてもっと知りたい方は「押さえておきたい日本人ラッパー20選【2020年最新版】」を参考にしてください。